どんぐりからはじめる、ふるさとの水源林プロジェクト

活動レポート

どんぐり一粒から、百年の森へ

埼玉県飯能市には首都圏の大切な水源林があり、その保全や再生は市民生活や下流の水環境にとって非常に重要です。
しかし、森林の高齢化や管理の不足により、水源林の働きや生物の多様性が低下することが心配されています。
また、子どもや市民が日常生活の中で「自分ごととして森を育てる」経験の機会は十分ではありません。

そこで、本事業では飯能市の子どもたちや市民が、どんぐりを拾い、そのどんぐりから苗木を育て、山に植え、育つ様子を継続的に見守る一連の体験を行います。
こうした体験を通して、ふるさとの水源林への親しみや理解を深めることを目的としています。

「拾う → 育てる → 植える → 見守る → 守る」という流れを、市民が参加できるプログラムとして続けていくことで、水源林の保全・再生と、市民の学びや交流の場づくりを同時に進めていきます。

4つのステップ

ステップ0 はじめに:「どんぐり苗木づくり講習会」
ステップ1 育てる :苗木育成期間(約2年間)
ステップ2 植える :植樹祭(百年の森づくり)
ステップ3 つなぐ :里親登録・見守り
ステップ4 守る  :保全活動・仲間づくり(サポーターズクラブ)

ステップ0 はじめに:「どんぐり苗木づくり講習会」

「どんぐり一粒から百年の森へ」という思いのもと、誰もが楽しく参加できる森づくりのきっかけとなる場をつくります。
また、どんぐりの苗木を、家庭・学校・地域をつなぐ共通のテーマとして位置づけていきます。

・どんぐり拾い
 ― 親子や市民で公園や山に行き、どんぐりを集めます。

・苗木づくり講習会
 ― どんぐりの選び方、植え付け方、土づくり、育て方を学びます。

・家庭や学校での育成スタート
 ― 約2年間、自宅や学校で苗木を大切に育てていきます。

ステップ1 育てる 〜苗木育成期間〜

森の赤ちゃんを育てよう

約2年間の苗木の成長を、楽しく記録したりみんなで共有したりしながら、ふるさとの自然に親しみをもつ時間にします。

イベント①:どんぐり育成チャレンジ

・SNS育成日記キャンペーン
 ― 「SNSどんぐり日記」として、苗木の成長の様子を写真やコメントで投稿してもらいます。
 ― 毎月「ベスト苗木賞」などを選び、市の広報やWebで紹介します。

・苗木に名前をつけよう!
 ― 育てている苗木に名前をつけて、もっと愛着を持ってもらいます。
 ― 植林のときには「○○ちゃんを山へ!」という形で紹介し、成長の物語を感じられるようにします。

イベント②:つながる森の時間

・苗木のオンライン交流会
 ― 苗木の育て方の工夫や、森についての話をみんなで共有するオンラインイベントを行います。
 ― 講師の先生に育成の様子を伝える「報告会」もあわせて開催し、今後の育て方に役立てます。

ステップ2 植える 〜植樹祭〜

みんなで植える、百年の森

自分が育てた木がふるさとの森の一部になることを実感し、森づくりへの参加が一度きりで終わらず、次のステップへつながるようにします。

・飯能市の山林で、参加者による植樹祭を行います。
・家族や仲間と一緒に、育てた苗木を実際の水源林に植えます。
・植樹の様子は記念プレートや写真で残し、参加者の思い出にします。

ステップ3 つなぐ 〜里親登録・見守り〜

苗木の里親になろう

植樹のあとも森とのつながりを感じられる仕組みを作り、子どもたちが成長とともに森の変化を見守ることで、長く関わり続けられるようにします。

・苗木の「里親」登録
 ― 植えた苗木の位置情報を記録し、どの木が誰の苗木か分かるようにします。

・成長記録の共有
 ― 写真や手紙、Webアルバムなどで苗木の成長の様子を記録し、みんなで共有します。

・森の再会イベント
 ― 年に1回、植えた場所に集まり、苗木の成長をみんなで確かめるイベントを行います。

ステップ4 守る 〜保全活動・仲間づくり〜

水源林サポーターズクラブ

「植えて終わり」にせず、苗木を長く守る仕組みとして水源林サポーター制度を整え、市民・学校・企業・行政が協力する持続的な水源林保全の土台とします。

・間伐や下草刈りなどの体験会
 ― 安全に配慮しながら、林内での軽作業を体験できます。

・森の恵みを活かしたワークショップ
 ― 炭焼きや木工、葉っぱアートなど、森の資源を使った体験プログラムを行います。

・水源林サポーターズクラブ(仮称)の設立
 ― 地域の仲間と一緒に、水源林の保全活動を続ける市民組織として活動します。

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